作家の伝えたかったこと

筒井作品を読んでいる。

時かけ」もよいが「私のグランパ」はもっといい。

七瀬シリーズもいいけど出てくるヒロイン娘が堅物でストイック・・・ややもすればツンデレかもしれない。

 

手塚、松本、星(新一)の系列はSFが生きている。

そういえば筒井先生は昭和一桁だ。

まだ、空想の翼を広げられる世界があった。

 

細田監督の「時かけ」はあの爽やかさが民衆に受けたのかもしれない。

筒井先生の原作を読むともっと淑やかで、不思議が作中に漂っている。

あの、慎ましい雰囲気は昭和の名残りな感じだ。

 

そのむかし、筒井先生のインタビューで細田監督の「時かけ」はどうか?と聞かれたとき、先生は苦笑していた、と言う記事がある。

(´・ω・`)「開けっぴろげな感じなのよね」

・・・どこまでも広がる自由のというか。

 

ある意味、外の世界に開けてしまうと、神秘…というか不思議を感じることが疎かになる場合がある。

比重でいえば、神秘:外界=6:4が筒井作品に対し…

細田作品は神秘:外界=3:7くらいか?

神秘(不思議)が当たり前のように扱われている感じがある。

 

神秘(不思議)を扱うには、その世界に通じていることも大事だが、慎重さも必要になる。

神秘に対しての「遅さ」というか、神秘を受け入れる時間的余裕を持つというか。

外の世界(外界)の速さにしがみついていると、なかなかしれないは感じられない。

世界に対しての慎重というか?

 

「旅のラゴス」は空想の冒険譚だ。

物語は現実の倫理性とは相容れない感じがあるが、その分骨太でタフなストーリーを楽しむことができる。

アニメ(絵)にしないことで、ハードボイルドの世界観を味わえる。

 

サマーウォーズやバケモノの子にせよ、細田作品は「何を伝えたいか?」を強く出しているのかもしれない。

勢いや悲しみのシーンがハッキリしている。

筒井作品にはときどきサンティメンタル(センチメンタル)な雰囲気があるけど(≒躊躇い)のようなものか?

クリアではないのね。